ローン残高のある不動産の処理
住んでいる家をどうするか
離婚時にもめるものの一つに、マイホームをどのように分けるのかという問題があります。
マイホームも財産のひとつで財産分与の対象になりますが、買ったばかりの家の場合、ローンがほとんど減っていないことになり、マイホームとしての今売れる金額よりもローン残高のほうが高くなってしまうことがあります。 家という不動産を財産分与する場合以下のような方法があります。
・どちらか一方がすみ続けてローンを払う。
・家を売って現金化して分ける。
・どちらも家を出るが売却できないので賃貸にだしてローンを払う。
マイホームを売って現金化する以外の方法の場合、家という財産と借金を背負う側とどちらも放棄する側との間で負担を応分にするというのが基本的な考えです。 考え方としてはシンプルですが、住宅ローンというと人によっては莫大は借金になりますから離婚によって家計破綻をおこした元夫・元妻どちらにとっても負担が大きくなる可能性があります。
家の価値とローンの残高を調べる
まずは、マイホームという財産(プラスの財産)と残っている住宅ローンの額(マイナスの財産)の割り出しから始めることになります。
ローン残高は、銀行から送られてくるローンの償還予定表を見ればわかります。
ただし、ローン残高というのはあくまでもローンの元本の残高ですからそこに利息は含まれていません。ところが今後もローンを払っていくということは正確にはローン残高の元本と利息の両方を負担するということになります。
ローン金利、元本残高、残りの期間によって利息は違ってきますが、場合によっていはローン元本の1.5倍~1.8倍くらいが返済総額になることもあります。
マイホームとしてのプラスの価値、不動産の時価については、まずはおおよその金額を把握しましょう。
近所で広さ、築年数など条件の似通った中古の不動産物件が売りに出されていないかどうか、週末の新聞の折り込みチラシなどでチェックしてみることです。
似たような物件チラシがあれば、自分のマイホームを売る場合の参考価格になります。
ただしチラシに出ているのは業者が「売る」金額であって、マイホームを手放すときには業者が「買う」金額で考えることになりますから、売値より2割程度少なめに見積もってください。
同じような中古物件が見つからなければ、地域の不動産屋に査定してもらいましょう。
マイホームの具体的な処分方法を決めていない段階では業者に査定してもらうというのも概算で充分です。 ということはマイホームに住まない夫が所有者でありローンの名義人を替えないままで、妻はローンを払っていくしか方法がなさそうです。
そして、ローンを完済したときにマイホームの名義を妻に換えるということを離婚時に取り決めておくことになります。 マイホームのプラスとマイナスの価値がわかれば、差引してみて実際の価値がプラスなのか(売却できる)、マイナスなのか(ローンのほうが多くて売却できない)がわかります。
そしてどのように処分するかを決めることになります。
ローンの残ったマイホームの分与の仕方
1.マイホームの所有者もローンの名義(債務者)も夫。自宅は妻と子が住み続けるという場合
所有者もローンの名義も、妻が返済をしていくから妻に替えたいというご希望が多いのですが、これができるかどうかは金融機関の判断になります。
まずローンについてですが、金融機関というのはお金を貸す相手が返済できるかどうかということと、そのときの担保の価値を審査して、貸す、貸さないを決めるのです。
ローンの債務者を変更も同じように審査されることになります。
従って夫と同じくらいの年収の妻であれば変更できる可能性もありますが、今まで働いて収入を得たことがない妻の場合は、非常に難しくなります。
もう一点、所有者の変更ですがローンが残っている場合は認められないことが多いようです。
なぜなら住宅ローンとは、マイホームを所有している人がそのマイホームを担保として差し出すことでローンという借金をさせてもらっているのです。ということは、借金の名義人が担保物件の所有者から外れるというのは理屈として合わないことになるからなのです。 ということはマイホームに住まない夫が所有者でありローンの名義人を替えないままで、妻はローンを払っていくしか方法がなさそうです。
妻がローンを負担している期間は、妻が夫所有の家を借りているという形にして賃貸借契約を結んでおくと、児童扶養手当の計算根拠である夫からの扶養を過分にとらえられずにすみます。
そして、ローンを完済したときにマイホームの名義を妻に換えるということを離婚時に取り決めておくことになります。
この場合、妻がまじめに夫名義の口座にローンを返し続けても、夫がその返済額を使い込んだり、返済を続けてローンが減ってきたときに新たにマイホームを担保に借金を作ったり、果てはその借金を踏み倒したりすれば妻子はマイホームに住み続けられなくなるというリスクがあります。
離婚をすることになっても、ある程度信頼関係は残っている夫婦であればマイホームの処分方法について公正証書で取り決めておけばいいのですが、まったく信頼できない状態に陥っている場合は妻子はマイホームにこだわらずに借金付きの家を夫に押し付けて出て行くほうが離婚後の生活は安定するといえそうです。
2.マイホームの所有者でありローン名義人が住み続ける場合
ローン債務者がそのまま住み続けて返済をする場合は、銀行とのやりとりも必要なく、家族がいない家のローンを払い続けるというむなしさをのぞけば、表面的な問題はありません。
ただし、ローンを払いながら養育費も払う場合は、経済的負担はかなりのものになります。
1戸建てやファミリータイプのマンションは家族とともに住んでこそその良さを味わえるものですから、ひとりで広い持ち家に住みながらローンを払い続けるというのは虚しさを感じざるを得ないかもしれません。
3.マイホームには夫も妻も子も住まない選択
妻と子は妻の実家に帰り、夫も郊外のマイホームを嫌って都心で小さな部屋を借りるというような場合、マイホームは売却しない限りローンの負担が付きまといます。
このようなケースではマイホームを賃貸に出して賃貸収入を得ながらローンを返すという方法があります。
賃貸にできるのかどうかは地元の不動産屋に相談をしてみてください。部屋の痛み具合ではリフォームが必要になることもあります。
マイホーム売却
家庭が壊れた不動産を持っていても仕方がない、現金に換えて分けられるものは分けてしまいたいという場合は売却することになります。
ローンが残っていてもマイホームとしての資産価値のほうが高ければ売った金額からローンを全額返すことになります。
売却には業者に払う手数料がかかりますから、ローンの金額と資産価値があまり変わらない場合は手数料を差し引くと現金はほとんど残らない可能性があります。
家計再建の記事
- 前の記事: 行政支援の利用の仕方
- カテゴリー:家計再建
- 次の記事: 母子自立支援員
